本文:<卒論・修論でよくある修正項目>

その他

本記事では、卒論・修論の本文についてよくある修正項目を紹介いたします。

<卒論・修論でよくある修正項目>シリーズでは、初学者がよく指摘される卒論・修論の修正項目を紹介しております。<卒論・修論でよくある修正項目>シリーズの概要とコンテンツ一覧は以下のページよりご確認ください。

卒論・修論のフォーマットは、大学・学部・学科によって異なります。ここで紹介する内容は、著者が所属していた研究室のものを基本にしていますので、卒論・修論の執筆にあたっては所属研究室のフォーマットを確認し、それに準拠してください。

言語が統一されていない

論文全体を通して使用言語は統一する必要があります。ただし、図表とそのキャプション、数式については本文と異なる言語で記載しても構いません。

本文を和文で記載する場合でも、専門用語や人名は慣習等に合わせて欧文表記しても構いません。ただし、本文内で和文表記と欧文表記が混在しないように注意しましょう。

【修正例】

修正前:Hookeの法則によると、・・・となる。・・・。フックの法則より、・・・であることが分かる。
修正後:Hookeの法則によると、・・・となる。・・・。 Hooke の法則より、・・・であることが分かる。

略語がスペルアウトされていない

著者と読者の認識の違いを避けるために、全ての略語は本文中で最初に記載するときに、一度スペルアウト(略さず記載する)する必要があります。専門分野で広く利用されている略称についても、必ず一度スペルアウトしましょう。

【修正例】

修正前:TEMを用いて測定した。
修正例1: TEM (Transmission electron microscope)を用いて測定した。
修正例2: TEM (透過型電子顕微鏡)を用いて測定した。
修正例3: 透過型電子顕微鏡 (TEM)を用いて測定した。

単位系が統一されていない

図表等も含めて論文全体で用いる単位系は統一する必要があります。複数の単位系を混在させないように注意しましょう。

単位系にはSI単位系を用いるのが一般的ですが、専門分野の慣習によって別の単位系を用いる場合もあります。どの単位系を用いるか指示がある場合もありますので、事前に確認をしてください。

【修正例】

修正前:・・・1073 Kで熱処理した。・・・。・・・は、500 ℃で測定した。・・・
修正例1: ・・・1073 Kで熱処理した。・・・。・・・は、723 Kで測定した。・・・
修正例2: ・・・800 ℃で熱処理した。・・・。・・・は、500 ℃で測定した。・・・
修正例3: ・・・1073 Kで熱処理した。・・・。・・・は、723 K(500 ℃)で測定した。・・・

数値と単位の間にスペースがない

数値と単位の間には半角スペースを入れましょう。なお、”%”については半角スペースは必要なく,

“20%”と記載します。

【修正例】

  • 1073K → 1073 K
  • 30m/s → 30 m/s
  • 30kgm/s\(^{2}\) → 30 kg m/s\(^{2}\), 30 kg m s\(^{-2}\), 30 J

単位が複雑になる場合には単位と単位の間に半角スペースを入れる事もあります。

分数がある

インライン数式などを用いて本文中に分数を記載すると、そこだけ行の幅が太くなるなどレイアウトがおかしくなってしまいます。本文中では分数表記は用いずに”/”を用いて一行で表現しましょう。

【修正例】

修正前:・・・は\(\frac{1}{2a}\)となる。
修正後:・・・は\(1/(2a)\)となる。

剽窃がある

許可なく他者が著作権を持つ文章をコピーして自身の論文に記載すると、剽窃にあたり処罰の対象となります。文章の一部分を変更しても剽窃に該当するため注意が必要です。

他者の文章を自身の論文に記載する場合には、著作権法で定められている「引用」の範疇に収まるように留意しましょう。特に以下の点に注意しましょう。

  • 引用であることが分かるように、参照元の資料を明記する
  • 自身の文章が主、引用文が従となるように、適切に自身の意見等を記載する。

計算理論や実験方法は他者と似た内容となる事も多くありますが、安易にコピー&ペーストをしないように注意してください。

説明されていない図表がある

全ての図表は本文で説明する必要があります。本文中で触れる必要のない図は付録として論文の最後にまとめましょう。

参考文献が示されていない

本文には、適宜、参考文献を記載しましょう。参考文献の示し方としては、文章の末尾に対応する文献番号を付与する形が一般的です。論文等を参考にして自身の専門分野で一般的な参考文献の記載方法を確認してください。

一文が長い

一つの文が長くなると文意を読み取りにくくなります。適宜、文章を分けて必要以上に文章が長くなりすぎないように注意しましょう。

主語と述語が対応していない

主語と述語が対応していない文も散見されます。主述の対応には注意しましょう。

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