本記事では、卒論・修論の題目・目次・本文構成についてよくある修正項目を紹介いたします。
<卒論・修論でよくある修正項目>シリーズでは、初学者がよく指摘される卒論・修論の修正項目を紹介しております。<卒論・修論でよくある修正項目>シリーズの概要とコンテンツ一覧は以下のページよりご確認ください。
卒論・修論のフォーマットは、大学・学部・学科によって異なります。ここで紹介する内容は、著者が所属していた研究室のものを基本にしていますので、卒論・修論の執筆にあたっては所属研究室のフォーマットを確認し、それに準拠してください。
題目
題目が申請と異なる
卒論・修論の題目は、事務等に提出した申請書類の論文題目と一字一句同じである必要があります。題目が申請題目と異なると、受理されず、卒業・修了に支障をきたす可能性があるので、題目はしっかりと確認してください。
題目のページに目次や本文が記載されている
卒論・修論は文量が多く、一冊の冊子として提出するので、題目のページに目次や本文が記載されているのは好ましくありません。基本的には題目は独立して用意し、必要に応じて以下の項目を記載してください。
- 和文題目
- 英文題目
- 概要
- 所属
- 著者名
- 指導教員
- 年月日
目次
目次が無い
卒論・修論はページ数が多くなるので、適切な目次を作成してください。
ページ番号が記載されていない
目次から目的の内容の書かれたページを簡単に探せるように、目次の各項目には対応するページ番号を記載してください。
題目・目次にページ番号が振られている
題目や目次のページには基本的にページ番号はふりません。本文の最初のページを1ページ目にしてページ番号は振ってください。
本文構成
本文の構成がIMRADに準拠していない
科学論文は、基本的に以下の項目から構成されることが求められています。このような、文章構成は上の4つの項目の頭文字をとりIMRAD(Introduction, Method, Results And Discussion)と呼ばれており、科学技術論文でよく用いられる章構成です。科学系の卒論・修論では、IMRADに準拠した文章構成にすることが一般的です。IMRADを無視した構成は修正を求められる場合があります。
- 緒言、序論、はじめに、導入(Introduction)
- 実験方法、計算方法、材料(Method and materials)
- 結果(Rusults)
- 考察(Discussion)
- 結言、結論、まとめ、総括(Conclusion)
- 謝辞(Acknowledgments)
- 参考文献(References)
IMRADに準拠した最も単純な文章構成は、以下のように上記の項目をそのまま章構成としたものであり、学術論文でよく採用されています。
【文章構成例1】
- 1章 はじめに
- 2章 実験方法
- 3章 結果
- 4章 考察
- 5章 結論
- 6章 謝辞
- 7章 参考文献
謝辞、参考文献には章番号を振らないこともよくあります 。また、学術論文では、「結果」と「考察」を合わせて「結果と考察」とすることもままありますが、卒論・修論は文量が多いため両者はなるべく分けて書くことが望ましいです。
卒論・修論では複数の研究内容について記載することも多々あります。そのような場合は、以下のように研究内容毎に章構成を分けると書きやすくなります。
【文章構成例2】
- 1章 Aの研究
- 1-1 はじめに
- 1-2 実験方法
- 1-3 結果
- 1-4 考察
- 1-5 まとめ
- 1-6 1章 参考文献
- 2章 Bの研究
- 2-1 はじめに
- 2-2 実験方法
- 2-3 結果
- 2-4 考察
- 2-5 まとめ
- 2-6 2章 参考文献
- 謝辞
文章構成例2 では、各研究毎に章を分けましたが、論文全体の一貫性が低くなることがこの構成の欠点です。以下のように柔軟に各項目を配置すると、 論文の一貫性が増します。
【文章構成例3】
- 1章 序論
- 2章 測定原理
- 3章 Aの研究
- 3-1 はじめに
- 3-2 実験方法
- 3-3 結果
- 3-4 考察
- 3-5 まとめ
- 4章 Bの研究
- 4-1 はじめに
- 4-2 実験方法
- 4-3 結果
- 4-4 考察
- 4-5 まとめ
- 5章 総括
- 6章 謝辞
- 7章 参考文献