本記事では、卒論・修論の参考文献についてよくある修正項目を紹介いたします。
<卒論・修論でよくある修正項目>シリーズでは、初学者がよく指摘される卒論・修論の修正項目を紹介しております。<卒論・修論でよくある修正項目>シリーズの概要とコンテンツ一覧は以下のページよりご確認ください。
卒論・修論のフォーマットは、大学・学部・学科によって異なります。ここで紹介する内容は、著者が所属していた研究室のものを基本にしていますので、卒論・修論の執筆にあたっては所属研究室のフォーマットを確認し、それに準拠してください。
フォーマットが統一されていない
参考文献のフォーマットはすべての文献で統一しましょう。
参考文献のフォーマットには様々なものがありますので、特に指定されていなければ、専門分野で主要なジャーナルのフォーマットを利用すると良いと思います。参考文献が学術論文の場合は、最低限、以下の項目は記載しましょう。
- 著者名
- ジャーナル名
- 号(Volume)
- 出版年
- ページ番号
私は以下のようなフォーマットをよく利用しています。
【フォーマット例】
著者 , 論文タイトル, ジャーナル名, Volume (出版年) ページ番号.
【記載例】
T. Tanaka, H. Yamada, Article Title Example, Journal Title Example, 1 (2022) 1-10.
日本語文献の記載言語が統一されていない
多くの日本語論文には、日本語と英語の引用情報がそれぞれ用意されています。本文が和文の場合、和文の論文は日本語と英語のどちらで参考文献情報を記載しても構いませんが、すべての日本語文献で言語を統一しましょう。
著者名の姓名の順番が統一されていない(欧文)
欧文では、著者名を「姓名」の順で記載する場合と「名姓」の順で記載する場合があります。すべての文献(欧文)で順序を統一しましょう。
【記載例】
名姓順:Taro Tanaka, T. Tnaka
姓名順:Tanaka Taro, Tnaka T.
ファーストネーム(ミドルネーム)を省略するか否かが統一されていない(欧文)
ファーストネームやミドルネームは、以下のように頭文字と”.”を用いて省略する事ができます。ファーストネームおよびミドルネームを省略するのか、すべて記載するのかはすべての参考文献(欧文)で統一してください。
【省略例】
- Taro Tanaka → T. Tanaka
- Hanako Chris Yamada → H.C. Yamada
ミドルネームがある場合は、省略形式ではファーストネームとミドルネームの間はスペースを空けず続けて記載します。
最終著者名の前にandをつけるか否かが統一されていない(欧文)
欧文では、最終著者とその一人前の著者名の間を”and”でつなぐ場合と、他の著者間と同様に”,”を用いる場合があります。いずれかの記載方法に統一しましょう。
【andを用いた記載例】
[1] T. Tanaka and H. Yamada, J. Title Example, ・・・.
[2] T. Tanaka, H. Yamada and T. Sato , J. Title Example, ・・・.
[3] T. Tanaka, J. Title Example, ・・・.
【,を用いた記載例】
[1] T. Tanaka, H. Yamada, J. Title Example, ・・・.
[2] T. Tanaka, H. Yamada, T. Sato , J. Title Example, ・・・.
[3] T. Tanaka, J. Title Example, ・・・.
著者の最大記載人数が統一されていない
著者の数が多い論文では、”et al.”や「ら」を用いて、著者を省略できます。ただし、記載する著者数の最大人数は統一しましょう。
卒論・修論はページ数に制限がない場合が多いため、参考文献の著者はなるべく省略せず記載する方が望ましいです。
【修正前】
[1] Author1, Author2, Journal Title,・・・.
[2] Author1, Author2, Author3, et al., Journal Title, ・・・.
[3] Author1, Author2, Author3, Author4, et al., Journal Title, ・・・.
[4] 著者1, 著者 2, 著者 3, 著者 4, et al., Journal Title, ・・・.
【修正後】
[1] Author1, Author2, Journal Title, ・・・.
[2] Author1, Author2, Author3, et al., Journal Title, ・・・.
[3] Author1, Author2, Author3, et al., Journal Title, ・・・.
[4] 著者1, 著者 2, 著者 3, et al., Journal Title, ・・・.
ジャーナル名を省略するか否かが統一されていない
ジャーナル名には省略名称が定められており、参考文献は省略名称でジャーナル名を記載しても構いません。ただし、ジャーナル名を省略するか否かはすべての参考文献で統一しましょう。
ジャーナルの省略名称が間違っている
ジャーナルの省略名称は予め決められていますので、省略名称を用いる場合は正しい省略名称を確認したうえで記載しましょう。
【ジャーナル名の省略例】
- Acta Materialia → Acta Mater.
- Pysical Reviwe B → Phys. Rev. B
- Computational Materials Science → Comput. Mater. Sci.