卒論・修論でよくある修正項目~図について(2/2)~

本稿では、卒論・修論の図についてよくある修正項目を紹介します。

本記事は、シリーズ記事<卒論・修論でよくある修正項目>の1つです。

本シリーズは、以下の記事にまとめていますので適宜ご確認ください。

注意

卒論や修論のフォーマットは、大学・学部・学科によって異なります。

ここで紹介する内容は、著者が所属していた研究室のフォーマットを基本にしていますので、執筆にあたっては所属研究室のフォーマットを確認し、それに準拠してください。

目次

前の記事(図について(1/2))

軸ラベルが記載されていない

グラフには適切に軸ラベル(縦軸と横軸の説明)を記載する必要があります。

軸ラベルには、軸が何の量を表しているかと、その単位を記載します。

軸ラベルの記載例
  1. 説明, 変数 /単位 e.g. Time, \( t \) /s
  2. 説明(単位) e.g. Time (s)
  3. 変数 /単位 e.g. \( t \) /s

1, 3では”/”を表記に使うため、m/sのように単位にも”/”を用いると混乱のもととなります。
そのため、指数表現を用いて、m s\(^{-1}\)と表現します。
なお、2の表記方法をとった場合も、単位は指数表現をしても構いません。

フォントサイズが小さい

グラフの軸と目盛は、十分に大きくする必要があります。

論文に掲載したときに、本文の文字以下の大きさにならないように注意しましょう。

データのプロット線が細い

プロット線は目立つように太くしましょう。

プロット線は、グラフの最重要項目です。細すぎて見にくくならないように注意しましょう。

軸目盛の外側にデータ点がプロットされている

全てのデータ点は、最小目盛りと最大目盛りの間にプロットするようにしましょう。

目盛りと目盛りの間では、値が線形に変化(対数プロットでは対数値が線形に変化)することが定められています。

この決まりは、最小目盛りと最大目盛りの内側にしか適用されないため、外側のプロット点は値が保証されません。

プロット点が最小目盛りと最大目盛りの外側に来る場合は、目盛りの設定を変更しましょう。

なお、近似曲線や回帰曲線は、実データではなく値をグラフで保証する必要がないので、目盛りの外に外挿しても構いません。

目盛が半端な値

特別な理由がない限り、目盛りはキリの良い数字で設定しましょう。

データが区別できない

複数種のデータをプロットする場合は、データを区別できるように線の種類や色を分けましょう。

データ種は凡例として図中に示すか、キャプションに説明を記載しましょう。

各図表はそれとキャプションのみで完結し、読者が理解できる状態となっている必要があります。

そのため、凡例の説明が本文のみに記載されており、図とキャプションだけでは凡例が分からないといった状態は不適切です。

なぜ図とキャプションだけで図を理解できる必要があるのか

論文の読者の多くは、まず図表を確認し、気になったデータについて、関係する文を読みます。

そのため、最初に図表を見た段階で、図表の内容が理解できるようになっていることが求められます。

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