数列の漸化式を計算し一般項を求めるときに、特性方程式と呼ばれる関係式を用いる場合があります。本ページでは、高校数学で取り扱う特性方程式について紹介します。本ページでは要点のみを掲載します。詳細な式展開については以下のpdfファイルを確認してください。
二項間漸化式
Eq. (1-1)の二項間漸化式から一般項を求める場合、Eq. (1-3)の特性方程式を用います。この特性方程式はEq. (1-1)をEq. (1-2)のように変換することで得ることができます。この方程式を解いて、\(\alpha\)をもとめることで、Eq.(1-1)を Eq.(1-4)のように変形できます。この漸化式を計算すると、Eqs. (1-5~1-7)の一般項を得ることができます。詳細な計算過程については本ページ上部のpdfファイルを確認してください。
漸化式
$$ a_{n+1}=r a_n +d \tag{1-1} $$
特性方程式
$$ a_{n+1} \to \alpha, a_n \to \alpha \tag{1-2} $$
$$ \alpha=r \alpha +d \tag{1-3} $$
変形後の漸化式
$$ a_{n+1} – \alpha =r \left( a_n-\alpha \right) \tag{1-4} $$
一般項
$$ a_{n}=r^{n-1} a_1 + \frac{1-r^{n-1}}{1-r}d \tag{1-5} $$
等比数列の総和を用いた表現
$$ a_{n}=r^{n-1} a_1 + \left( \sum_{k=1}^{n-1} r^{k-1} \right) d \tag{1-6} $$
第0項を基準とした表現
$$ a_{n}=r^{n} a_0 + \frac{1-r^{n}}{1-r}d \tag{1-7} $$
三項間漸化式
Eq. (2-1)の三項間漸化式から一般項を求める場合、Eq. (2-3)の特性方程式を用います。この特性方程式はEq. (2-1)をEq. (2-2)のように変換することで得ることができます。この二次方程式の解\(\alpha, \beta\)をもとめることで、Eq.(2-1)を Eq.(2-4)のように変形できます。この漸化式を計算すると、Eqs. (2-5~2-7)の一般項を得ることができます。詳細な計算過程については本ページ上部のpdfファイルを確認してください。
漸化式
$$ a_{n+2}=p a_{n+1}+ q a_n \tag{2-1} $$
特性方程式
$$ a_{n+2} \to x^2, a_{n+1} \to x, a_n \to 1 \tag{2-2} $$
$$ x^2=p x +q \tag{2-3} $$
変形後の漸化式
$$ a_{n+2} – \alpha a_{n+1} =\beta \left( a_{n+1} – \alpha a_n \right) \tag{2-4} $$
一般項
\(\alpha \neq \beta\)のとき
$$ a_{n}=\frac{\beta ^{n-1} – \alpha ^{n-1} }{\beta – \alpha}a_2+ \frac{\beta ^{n-2} – \alpha ^{n-2} }{\beta – \alpha} \alpha \beta a_1 \tag{2-5} $$
\(\alpha = \beta\)のとき
$$ a_{n}=(n-1) \alpha ^{n-2} a_2-(n-2) \alpha ^{n-1} a_1 \tag{2-6} $$
両条件を包括した表現
$$ a_{n}=\left(\sum_{k=0}^{n-2} \alpha ^{n-2-k} \beta ^{k} \right) a_2-\left( \sum_{k=0}^{n-3} \alpha^{n-2-k} \beta^{k+1} \right) a_1 \tag{2-7} $$