等速円運動する質点に関する関係式をまとめます。各関係式の導出は以下のpdfファイル をご確認ください。導出過程にはベクトルに関する微分や積分を含むため、高校数学の範囲を若干超えますが、高校数学の知識を応用すれば十分に理解できると思います。
PDFファイルではベクトル量は太字で表示していることに注意してください。
e.g. \(\vec{a}=\mathbf{a}\)
状況設定・記号の定義
状況設定
x-y平面上において原点を中心に等速円運動する質点を考えます。
記号の定義
\(m\): 質点の質量(Mass)
\(t\): 時間(Time)
\(\vec{r}(t)\): 質点の位置ベクトル
\(\vec{v}(t)\): 質点の速度 (Velocity)
\(\vec{a}(t)\): 質点の加速度 (Acceleration)
\(\vec{F}(t)\): 質点に働く力 (Force)
\(r\): 円運動の半径(Radius)
\(\omega\): 角速度(Angular velocity)
\(T\): 円運動の周期(Period)
等速円運動に関する関係式
等速円運動では以下の関係式が成立します。各式の導出は本ページ上部のpdfファイルをご確認ください。
$$ \vec{r}(t)=r \left(\cos\left(\omega t + \theta _0 \right), \sin \left(\omega t + \theta _0 \right) \right) \tag{1} $$
$$ \vec{r}(0)=r \left(\cos\left( \theta _0 \right), \sin \left( \theta _0 \right) \right) \tag{2} $$
$$ \vec{v}(t)=r \omega \left(-\sin \left(\omega t + \theta _0 \right) , \cos \left(\omega t + \theta _0 \right) \right) \tag{3} $$
$$ \vec{a}(t)= – \omega ^2 \vec{r}(t) \tag{4} $$
$$ \omega=\mathrm{const.} \tag{5} $$
$$ |\vec{v}(t)|=r |\omega |=\mathrm{const.} \tag{6} $$
$$ |\vec{a}(t)|=r \omega ^2=\mathrm{const.} \tag{7} $$
$$ \vec{F}(t)=-m \omega ^2 \vec{r}(t) \tag{8} $$
$$ |\vec{F}(t)|=mr \omega ^2 =\mathrm{const.} \tag{9} $$
$$ T=\frac{2 \pi}{|\omega|} \tag{10} $$
$$ \vec{v} \cdot \vec{r}=0 \tag{11} $$
$$ \vec{v} \cdot \vec{a}=\vec{v} \cdot \vec{F}=0 \tag{12}$$
Eqs. (8, 9)より、等速円運動では中心に向かって一定の力(向心力)が作用することが分かります。
Eq. (11)より、\(\vec{r}(t)\)と \(\vec{v}(t)\) が直交することが分かります。
また、Eq. (12)より、\(\vec{v}(t)\)と \(\vec{a}(t)\) が直交することが分かります。